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作品を飾る意味
私は自分の作品をスタジオに展示する時、必ず理由を付ける。
一つは“飽きが来ないか?”その作品の強さを、そうして測る。
強い作品ならきっと飽きは来ないだろう?と言う考えだ。
一つの作品を、かれこれ8年くらい毎日観てるが幸い飽きは来ていない。
もう一つ、入賞作品を飾る理由。特に目立った成績を残した作品は飾っている。
これの理由は、まず嬉しかったからだ。
もう一つは、その自分を超える作品を創る事は出来ているか?と自分に問いかけるため。
この自問自答は時に大きなプレッシャーともなるが、そんな時は「これを創る事ができたんだ。きっとまた創る事は出来る!」と思う様にしている。
ひらめきは、大抵そう思った後にやってくるから不思議だ。
スタジオに飾る作品には自分のものでは無いものも有る。
尊敬する作家のものを目にかかる場所に置く事で、自分を奮い立たせるためだ。
入賞作を置くのと似ているが、こちらは眺めていると、心穏やかになり落ち着くと言う効果も有る。
梅雨の時期から自作の掛け軸“鳴滝図”をかけていたが昨年、尊敬する馬場道浩さんに分けていただいた「金魚」に掛け替えた。
日本画を連想させる作風は私が以前から取り組んでいるものの一つ。
馬場さんの作品を観た時、「やられたー!」と思い、次の瞬間には買っていた。
日本美術の真骨頂は今で言うなら“レディメイド”。
マルセル・デュシャンが便器にサインをして“泉”と言うタイトルを付けた時から、その”既製品“とい言う新しい価値観は世界中の作家を狂わせ続けている。
しかし日本では同様の “本歌取り” や “見立て” といった価値観を古くから持っている。
西洋美術より日本美術が遥か先をいっていた訳だが、残念な事にそれはあまり知られていない。
私は、それを世界に知らしめる事も、私の使命と勝手に日本代表を気取っている。