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コンテストから見える写真文化の目指すところ。

 

昨日はコンテストの審査のために高松市まで。
数えてちょうど10年目です。

コンテストは私と広告部の方の二人で一時選考をしておき、そのあと役員さん方と最終選考をします。
企業さんが主催ですので、企業としての社会的役割やイメージもありますので当然です。
役員の皆さんから一時選考した作品に対する質問が飛んできます。
それを解り安く解説して差し上げます。
この仕事、結構疲れます。
なんせ応募されてる方、お一人お一人に思いがありますので。
そして帰って夜にはオンライン・サロンで作品の批評を。

そういう訳で昨日は朝から夜遅くまで人様の写真をたくさん拝見し、批評するという1日でした。
今日、目がしょぼついたのはそのせいでしょうか?

さて、コンテストはプリントで審査するのでプリントの善し悪しは大変重要です。
それが今回初となりますが、コピー用紙にインクジェットでプリントしたと思われる応募がなんと2名いらっしゃいました。
インクの乗り(浸透)などを考えると、この選択は大きな間違いです。

良い紙ならいいかと言うと、そうでもありません。
インクが顔料なのか?染料なのか?
他にも、絵面が紙に合うかどうか?

それらによっても相性がございます。

また、写真は撮ってプリントしてO.K.ではございません。

銀塩の時代から暗室での現像作業は重要でした。
現代ならPCに環境は変わりましたが、その必要性に変わりはありません。

 

かつて、ある同業者の方と議論になったのが撮った写真のレタッチについて。
その方は、撮った写真を後からレタッチするのは違う、撮った時が全てだと言う事を仰いました。
そこで私が、アンセル・アダムスの現像について話しました

「彼のオリジナル・プリントを観るとどう観ても絵にしかみえない。
それくらい凄いシャドーからハイライトまで階調を表現している。
そんな現像を銀塩の時代でやっていた。
そして、彼の現像技術を教科書として世界中のカメラマンが学んだ。
そして、今に繋がっている。
これをどう考える?」

と聞くとぐうの音も出ないとはこのこと。
何も言えませんでした。
プロでさえも勘違いしているこの現像に関する問題。
写真という身近な芸術の価値を上げ、より豊かな写真ライフを送るためにも啓発活動は重要かもしれません。

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