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映画「ヒトラー vs ピカソ 奪われた名画のゆくえ」を観て

amazon prime で映画「ヒトラー vs ピカソ 奪われた名画のゆくえ」を見ました。
ヒトラーは画家を志していましたが、その願いは叶いませんでした。
代わりに、権力を持つとユダヤ人や教会の名画を戦利品として略奪したり、買いあさります。
しかし、ピカソのキュビズムなど近代芸術は退廃芸術と呼び、虐げられます。

ある日、ピカソのアトリエを訪れたゲシュタポの将校がゲルニカのポストカードを指差し「これは君の仕事か?」と言いました。
ピカソは「いや、君たちの仕事だ。」と言ったという逸話があります。
そして、「目で見るだけの画家や、耳で聞くだけの音楽家がいるとしたら愚かだ。芸術家はこの世の悲劇や喜びに敏感な政治家であるべきだ。無関心は許されない。絵は家の飾りでは無く、敵を攻撃し防御するための手段なのだから。」という言葉を残しています。

そんなピカソですが、熱烈な共産党支援者でした。
旧ソ連よりスターリン平和賞とレーニン賞を授与されるほど。
サルバドル・ダリはこう話しています。
「ピカソは画家であり私もそうだ。ピカソはスペイン人で私もそうだ。ピカソは共産主義者で、私はそうでない!」

面白いもので、共産主義者でありながら共産主義の行き着く先である全体主義(ナチス)とは敵対していたと言う訳です。

私は共産党は好きではありません。
大嫌い。
なぜなら、理想的ではあるにせよ、歴史上起こった悲劇の震源地はまさに共産主義。
共産主義者が殺した人の数は第二次大戦で無くなった人の数より多いのです。
しかも、自国民を殺しているのです。

毛沢東 7800万
ヨシフ・スターリン 2300万
ポル・ポト 170万
金日成 160万

多くの国が共産党の結党さえも禁止しているのはこの為です。
日本共産党はソ連が対外工作のために組織したコミンテルンの日本支部として誕生しました。
現在は違うと彼らは言いますが、いまだ組織のトップは選挙などとは無縁です。

映画を観てナチスのやった事を改めて考えました。
それは言葉に出来ないほどの酷いことです。
一方のソ連も日ソ不可侵条約を一方的に破棄し、日本の敗戦を待って参戦し北方領土を侵略、57万人以上の日本人をシベリアに拉致し、奴隷的強制労働につかせました。(残った日本兵の必死の防戦により北海道侵略は免れました)厳寒な環境のもと、満足な食事や休養を与えられず、およそ1割の人は亡くなりました。
そんな戦争は避けなければなりません。
その為にはただ、反戦を訴えるのではなく、どうしたら侵略をさせないかと言う事を国民1人1人が考え無ければならない、そんな時代がやってきたと言う事だと思います。

私たち表現者も平和の為にできる事を考えるべきだと思います。
かつて、私が主催した塾ではそれに賛同してくれる人は少数でした。
しかし、ロシアのウクライナ侵略、迫る台湾有事。
これらを見て考えが変わらないのであれば、表現者としてはいかがなものでしょう。

ピカソは、約1万3500点の絵とデッサン、10万点の版画、3万4000点の本の挿絵、300点の彫刻と陶器を製作しギネス記録になっています。
作家としては史上最高の人物です。
その反面、偏った政治思想でした。
そして、女性問題に関しては現代ならマスコミにより作家活動を休止に追い込まれたのではないかと思える、酷さでした。

下の作品はスタイリストの髙橋精先生にコラボの声掛けをいただき、提案させて頂いた、ピカソへのオマージュ、そして現代人への皮肉として作ったものです。
タイトルは「Modern people who hide their true faces」
素顔を隠す現代人としました。

まあ、芸術家というものは歴史を振り返ると、ろくでもない人間ばかりです。
むしろ、それが人間なのかも知れません。
1つの事だけを見て全ての評価は出来ません。
誰も聖人君子では無いのです。
多様性を言いつつも、重箱の隅をつつく現代のマスメディアは度が過ぎている様に感じます。

私は私の信じる写真道を歩こうと思います。
おっと誰か来たようだ。(^^)

 

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