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白無垢三部作?最終回。

前回の続き。

 

花嫁衣装の白無垢は室町時代が起源と言われています。

当時の結婚式は3日間執り行われ最初の2日は白無垢で。

3日目に嫁入り先が用意した色打ち掛けに着替え、これが嫁入りを正式に認めたという意味だったとか。

 

ここからが私の推測。

その時代、こんな結婚式をできるのは位の高い、お金持ちの家だったに違い有りません。

裏を返せば、十中八九は政略結婚。

時には娘が敵となってしまうことも。

つまり本人も、時には親も望まない結婚だった。

 

親たちは娘を嫁に出す際、「お前の帰る家はもう無い、向こうでしっかりとつとめなさい。」と言って送り出します。

死装束は親が「この子はもう死んだもの。」と自分達に言い聞かせるために着させたのでは無いかと私は考えたのです。

 

すると前回話しました角隠しも合点がいきます。

正に点と点が線で結びつきます。

こうして花嫁は死んだ事になり死装束を着る事になった。

 

以前この話をして差し上げたお客様の前撮りでの事です。

その日は洋髪の色打ち掛けからのスタートでした。

その撮影が終わり、次は白無垢です。

かつらをつけ、角隠しを着けた正にその瞬間。

先程まで和やかにしていたお母さんの目から大粒の涙が。

それを見た私をはじめ周りの人も、もらい泣き。

 

こうした日本の歴史的背景、文化が日本民族の精神性となり私たちのDNAに刻まれているとしたら、白無垢が琴線に触れるのも納得がいきます。
近年は着られる方が非常に少なくなった白無垢
白はウエディングドレスがあるから和装は色打掛でという発想です。
白無垢を着てもカツラを着用しない方も多く、先日お仕事させて頂いた美容師さんによると、カツラは1年以上使ってないと。
よって白無垢も、洋髪に綿帽子というスタイルが主流。
また、都会で顕著となっているのがウエディングドレスだけしか着ないというパターン。
そのうち昔の花嫁姿として白無垢・角隠しが教科書に登場するのでは無いかという危惧さえ覚えます。

私は多くのお客様に白無垢の話をして着用して頂きました。
当然、カツラと角隠しもです。
文化というのは時代々によって、変化するものです。
音楽やファッションは特に時代を反映します。
それは、人が好奇心を持つ限り常に求めるものであり、性です。
しかし、それだけではいけないと思います。
想像して下さい。
ヨーロッパや京都の歴史有る町並み。
あれらが、全て高層ビルになってしまったら?
先人が残したものを未来に繋げる事も今を生きる私達の使命であると思います。

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