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ゴッホから学ぶ、孤独
The BIPP フェローシップ(ポートレイト)取得の20枚のパネルを紹介するシリーズ6枚目です。
前回同様にヘアメイクアップ・アーティストの 髙橋 精 さんと1年後に再びタッグを組んだ作品です。
ファン・ゴッホの自画像をモチーフにしました。
ゴッホは、現代で言うなら発達障害だったのだろうと思います。
人との距離感が取れず、いつも孤立していました。
アルルでゴーギャンとの共同生活も上手く行かず、耳切り事件がきっかけで自ら精神病院へ入院します。
その後、オーヴェルで拳銃自殺をしたと言われています。
享年37歳でした。
地元子供達の悪ふざけからの他殺説もありますが、いずれにせよ孤独が彼を死に追いやりました。
私もフォトグラファーという道を歩む過程で「孤独というものに必ず直面する事になる」と装丁家の方から言われました。
その言葉の意味も今では、痛いほど分かります。
ゆえに、ゴッホを思うと切なくなります。
このアイデアを髙橋さんに伝えると、賛成くださりホッとしました。
背景データを作成し、布バックの制作を発注、帽子も買い、モデルも友人経由で見つかりました。
しかし、何か足りない、
肝心なピースがはまっていない気がして成りませんでした。
東京へ向かう数日前、入浴中に思いつきました。
死ぬ直前、これから自殺をしようとするゴッホを描こうと。
そして、人々の自分達と違う人への冷たさ、残酷さを伝える作品にしようと考えたのです。
アートは時に、読み解く力が必要となるものが存在します。
私は、たった1枚の作品で全ての人に分かってもらおうなどと、大それたことは考えていません。
分かる人に分かってもらえ、その人の心にジーンと染みる様な作品を作りたいと思っています。
深く長く心に残る作品を。
ただ、そういった作品はコンペで勝ちにくくなる事は否めません。
教養あるジャッジだって、全てを知っている訳ではありませんからね。(^^ゞ