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映画

私に影響を与えたものの一つに映画がある。

初めて観た映画は兄と姉に連れられて行った「太陽の王子ホルスの大冒険」だったか。

3歳くらいだったと思う。

 

当時は脇町にも映画館が2つあり劇場と呼ばれていた。

もともとはその名の通り演劇場だった。

花道、回転舞台、奈落もあったらしい。

もっとも私が映画を観た当時は演劇は行われず映画館となっていた。

上映されるのは日活ロマンポルノばかりで通学路にバストトップを塗りつぶしたポスターが貼られていた。

そこで夏休みに数日だけアニメが上映された。

 

その映画館の入口は暗幕を左右にかき分け入って行く。

椅子はまるでチャペルの様な木で出来た長椅子。

初めてのそれは正に礼拝が始まる前の緊張感があった。

やがて真っ暗になったかと思えば目の前の大きなスクリーンに物語が投影された。

 

初めての映画は3歳の子供に大きな衝撃を与えた。

いつの間にか私は物語の主人公になっていた。

次々と迫る難題に必死で解決策を考えた。

 

終わった時、そこが何処だったのかよく理解できなかった。

真っ暗なまま連れ出され、暗幕を潜り出ると余りの眩しさに目が開かなかった。

完全に空想の世界に入り込んでしまっていた私は、強制的に現世に戻された。

映画という作り話の中に、ダイブしていた事が兄姉にバレてないか恥ずかしさを覚えたのだった。

まるで寝小便をした時の様な感覚だ。

しかし私は冒険を擬似体験し、しばらくの間、自分は何でもできる様な気さえした。

 

以来、映画というものが大好きになった。

私が中学生くらいまではテレビでも週に4回くらいはゴールデンタイムに映画が放映されていた。

それらをほとんど見ていた。

 

映画は基本的に徳島市まで出かけなければ見られない。

小さな頃は家族で買い物に出掛けた時、自分だけ映画を見せてもらった。

少し離れた兄姉は部活で来なかった。

 

小学5年の時、スターウォーズを観た。

正義が悪に勝つのは気持ちが晴れる。

デススターの中を飛ぶXファイターのスピード感も格好よかった。

帰りに帽子屋でスターウォーズのキャップを買ってもらった。

 

汽車に乗って映画を友人と観に行ったのは中学生になってから。

グループで行ったが、それは女子を誘う為の口実だったとも言える。

その時観たのはセーラー服と機関銃。

中学生らしいと言えばらしい。

数年前にテレビで観たがとて観られたものでは無かった。

 

当時はアニメと言うものは子供が観るものでテレビで放映されるのは実写が多かった。

しかし私は、どちらかと言うと今この歳になってアニメの方が好きになっている。

実写も今はVFXで何でも出来る。

それが逆に生々しいのが頂けない。

戦闘シーンなどで人が死ぬところは特に。

 

その点アニメは最初から作り物と分かっているから安心して観ていられる。

 

「私は私が観た世界を皆に見せる為の機械だ。」

映画監督のジガ・ベルトフの言葉だが今、私がやってる事こそ正にそれと思える。

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