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世界のルール、日本のルール。

英国プロ写真家協会では、イギリスを6つの地域(プラス国外)に分けて行うコンペがあります。
現在、地域ごとの入賞を発表するセレモニーが順次開催されています。(また海外のことだと思われるかもしれませんが、重要な事なので最後まで読んで頂けると幸いです(^^))。

これらの発表に対して、さまざまな意見が出されています。
・厳しすぎる(入賞の確立が低い)
・入賞(ブロンズ以上)を選ばない理由は何か?
・ウエディングやポートレートが多く入選するのは不公平 など。

その中で、ジャッジの一人が丁寧に説明していましたが、完全にその通りでした。
まず第一に、採点を行っているジャッジは国際的な他のコンペでも審査員を務めている方々です。
また、主催者はそのコンペの権威を守らなければなりません。

したがって、入賞数が少ないということは、そのレベルに達していなかったということです。
彼が言っていた中で印象的だったのは、過去に入選した作品の上位から入賞を選んだ際のことです。
その結果に対して他の団体から寄せられたのは「侮辱的な言葉だった」というものでした。

カテゴリーによって入選数が異なるのは、応募数が異なるためです。 私もジャッジをしているため、カテゴリーによる偏りは認識しています。
ただし、それが入選しやすいとか難しいということとは関係ありません。
上位入賞を目指す場合、競争が激しいカテゴリーは難しいと言えるとおもいますが。

いずれにしても、コンペの運営においては公平性を保つことに注意し、システムが作られています。
ただし、運用して初めて欠点が見つかることも少なくありません。
それが見つかった場合、修正が加えられ、さらに問題が見つかれば…。
こうして人も組織も成長していくのです。
もし欠点を知りながら変更できないのであれば、大きく反省する必要があります。

重要なことは、コンペで入賞することの意味です。
入賞しても嘲笑されるようなものでは意味がありません。
先にも述べた公平性の観点から、ジャッジが作品の作者を知らないことは重要です。
もし知っていた場合、ジャッジを交代するシステムが海外では一般的です。

さて、そんな世界の常識を再認識して考えるのは日本についてです。 今、世界のコンペで活躍する日本人は間違いなく増えています。
昨年のAsiaWPAでは、フォトグラファーズ・オブ・ザ・イヤーに世界の20人に4人の日本人が選ばれました。
しかし、これらの方々は国内のコンペには応募していません。
その理由として、「国内で正当な評価を得られないから」と言われています。
また、「フィードバックが得られない」という意見もあります。
こうした声はなかなか主催者に届かないのです。

私はここ数年、こうした声を受け止め、伝える努力をしていますが、なかなか変化をもたらすことはできません。
時折、絶望を感じることもあります。
しかし、あきらめるわけにはいきません。
日本人として、日本のコンペが軽んじられるのは許せませんもの。

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